奥駈 五番関から大普賢+稲村ヶ岳
2008年7月12日~13日

病み上がりのくたびれた身体に鞭打って登った天目山。
”これなら大丈夫かも・・・”と奮起して訪れた奥駈。

ショウタンの先達で楽しい夢の二日間を旅しました。

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行程
7/12 五番関取付 五番関 洞辻茶屋 山上ヶ岳 大普賢岳 小笹の宿
8:20 8:36 9:11 10:29 13:49 15:35
7/13 小笹の宿 山上ヶ岳 念仏山 大日山 稲村ヶ岳 母公堂
6:10 6:55 8:00 9:00 9:30 12:15

7月12日

  いきなりの急登が、樹林帯の中をうねります。”20~30分かけてゆっくり登れ!”と、ショウタンからアドバイスをいただいていたのですが、朝一番、気合が入っています(笑)。空が開けてくると、稜線は直ぐそこです。稜線からは山上ヶ岳へ向けて南下します。ここから始めて歩く区間が暫く続きます。


  稜線上から山上ヶ岳を遠望します。適当に木立があり、暑さも凌げないほどではありません。ひとりテクテク2時間の道中を、ショウタンとの待ち合わせ場所の洞辻茶屋までマイペースです。


  洞辻茶屋についてみると、ショウタンがいない。洞辻茶屋を抜けてもいない。どうしよう、どうしよう・・・・と心配症が頭をもたげ始めたその時、周囲に睨みを利かしながら、ショウタンが登ってきました(笑)。僕には見せた事の無い怖い顔。明日の帰りを考えて、車を回して頂いた為、余分に歩く羽目になってしまったショウタン。いつも本当にありがとうございます。



  洞辻茶屋から山上ヶ岳は、2年前に歩いた事があります。鐘掛岩も二度目。年々柔軟性を失う身体を感じながら、腕の力だけで登ります。


  ”西の覗きはパスです。”と、はるか手前から宣言していました。ショウタン、無理強いはしませんでしたが、きっとつまらなく思っていたんだろうなと、少し反省しています。しかしながら、本当に高所恐怖症の僕は、あんなところずぇったいに駄目です。

山上ヶ岳でくつろぐショウタンです。


  山上ヶ岳は女人禁制。今でもその考えは廃れていません。山上ヶ岳へ登る各ルートには女人結界門があります。


  和佐又から大普賢への登山道分岐です。以前この道を登り、弥山を越え、釈迦を越え、前鬼まで歩きました。前回前鬼への分岐である太古の辻から玉置山手前の稚児の森まで歩いていますので、これで五番関から稚児の森まで繋がった事になります。ショウタンに出会う事が無かったら、おそらく辿る事の無かった稜線だったと思います。素敵な山を紹介してくれたショウタンに感謝です。



  大普賢の頂上は暑く、木陰に入らないといてもたってもいられません。赤とんぼがそこかしこに飛んでいます。秋になったら真っ赤に色付いて、低地へ下りていきます。そんな話をショウタンと楽しみます。


  今夜のお泊りは小笹の宿です。稜線にありながら沢があり、水の確保が容易に出来ます。とても静かで気に入りました。古の石垣が周辺に散在します。昔人にとっても気持の良い住処だったのでしょう。小屋のお泊りは3人。自立型ツエルト1名。

  静かに夜が更けていきます。
7月13日

  3シーズン用のシュラフでも、少し暑いくらいの夜でした。何やら小動物が徘徊しているようで、同宿の方が台の上に置いていたビニールがしきりにガサガサと音を立てます。

  朝まだ暗いうちから、大峰の修験者が祈祷を上げはじめ、その声にビックリでいっぺんに目が覚めました。ショウタンは、”知っている方がいるかも・・”と、小屋の外へ。

  6:14分に行動開始です。稜線上から見る景色は、紀伊半島の山の深さを物語ります。



  気持の良い稜線を、山上ヶ岳へと帰ります。
大峰は、他山域の同程度の標高の山と異なり、下草や喬木がとても少ないように感じます。これも鹿の食害でしょうか・・・?
 


  山上ケ岳から南方を眺めます。手前がこれから辿る稲村ヶ岳、右側の尖鋒が大日岳、左手奥が弥山・八経、その左が釈迦への稜線。雲の流れも美しく、すがすがしい朝の風に心地よいひと時を楽しみます。


  レンゲ辻を越え、念仏山を越え、山上辻を越え、大日山の分岐までやってきました。大日山は鋭い尖峰ですが、見かけよりは易しく登れ、行程も想像よりもずっと短いものでした。


  稲村ヶ岳に登った後、下山中に仰ぎ見る大日岳です。

  稲村ヶ岳山頂には、立派な展望台がありますが、飲食禁止との事です。水だけ飲んでしばらくゆっくりくつろいでいると、何やらゼフィルスのようなきらめきが・・・。おそらくあの羽の色はアイノミドリシジミ。盛んにミヤマカラスアゲハやヒョウモンと追尾を繰り返しては、又もとの枝に戻ります。展望台だからできる(上から樹を見下ろせる)ミドリシジミの観察です。チョウに興味の無いショウタン、”ゼフィルス?絶対覚えれんワイ”(^ ^);



  山上辻から母公堂へ下る道は、あまり傾斜が無くだらだらだらだら・・・・・。”行けども行けども着かない”と、ショウタンがしきりに”こぼし”ます。あまり変哲の無い山道ですので、足だけが疲れていく感じです。
  やっと、法力峠です。ここを尾根伝いに進めば、観音峰。いずれまたやって来ますねと心に誓い、右に折れて下山します。



  かなり下ったところにある沢筋で見かけた立派な花です。暗い沢になんだか似つかわしなく、妙に堂々として立派でした。(笑)


  そして、やっとこさショウタンお待ちかねの母公堂です。法力峠からの下りは標高も低く、暑さに少々閉口気味でした。ここからしばらく車道歩きです。ショウタンのおっしゃるとおり、この車道を五番関まで登り返していては、熱射病になります。

こうして楽しかった今回の夢の旅も、無事終わりを迎えることとなりました。
毎度の事ですが、すばらしい先達に多謝!
次はいつになるのかなぁ・・・。