大山
 2006年11月4日

ああ、僕は今まで大山の何を見てきたのだろう・・・。

反省・・。 



  すっかり下道のファンになった僕は、今回も早起きして下道をひた走ります。明知峠の雲海は、時間的に早過ぎたのですが、代わりに江府からの道中で見る雲海が見事です。この空のグラデーション!! 
鍵掛峠登山口 6:36~7:02

  遊ちゃんのホームページを参考に、今回は”怖~い”キリン峠経由槍尾根に挑戦です。20年前の正月に、当時所属していた会の冬山合宿にて、時間切れで敗退したコースです。


  このコースは初めてですが、そのブナ林のすばらしい事と言ったら・・・・・。盛りを少し過ぎた感があるものの、天気も上々で黄色やオレンジの木の葉がはらはらと舞い落ちる様に、しばし陶然!


鳥越峠 8:06~8:20


  ほぼコースタイムの通りです。ここで小休止。烏へ向かおうかどうしようか迷っておられた御夫婦と別れ、僕は左へ道をとります。いよいよキリン峠への登りです。


  今まで見たことの無い大山の東壁が姿を見せ始めます。その岩の脆さをまじまじと見せつけるかのような、不気味な横筋が幾本も入った白い壁です。 


  キリン峠までは容易に辿れます。キリン峠から先、銀ポールへの登りに差し掛かったあたりは、さながら北ア大日岳のようなうららかさです。バッタやイナゴが飛び交う急な登りですが、まさにハイジの世界です。裾野に広がる広大なブナ林が見事です。ここから見える鍵掛峠には、凄まじいばかりの車が集中しています。帰りが混まない事を祈っているのどかな僕がいます。 




  ここは痺れました。このガレ場の手前には、らくだの背より細い稜線もありましたが、その不気味さはここの比ではありません。大山特有の脆い岩だらけの急斜面で、掴む岩、足を掛ける突起のことごとくが”動き”ます。従って体重を掛ける事が出来ず、頭の中で20秒ほど無重力状態になり、ゴキブリさながら這い上がりました。ここは危険です。他にも登る方が結構いらっしゃるようですが(中にはここを下る方も!)、お勧めしません。


銀ポール 9:16~9:28

  無事銀ポールへ到着です。監督さんから、”あれが銀ポール”と何度か聞かされていた、その場所へ僕も辿り着けました。喜びもひとしおです。
 烏ヶ山を振り返ります。


  さらに、槍尾根の縦走が続きます。緊張の連続ですが、先ほどのガレ場には比ぶべくもありません。この春に、三の沢から上がってきていますので、その道と合流した後は、気分も随分と楽になります。
剣ヶ峰 10:03~10:33

  なんと、今回は頂上(剣ヶ峰)での写真がありません。お昼のおにぎりを頬張るのに一心不乱であった様です。11月の御祈りをして、”次回はあそこを通りたいな”と1週間前に思った振子沢へ、象ヶ鼻から下ります。結構コースも長いのですが、いろいろと体験して少しでも大山の魅力を知ろうと考えました。


振子沢途中 11:36  


  振子沢”大当たり”です。すばらしい黄葉もさることながら、本谷との出合い付近では、大山の東壁がすばらしい配色で迫ります。これは是非絵に描きたいと思いました。この冬は久しぶりに絵筆を揃えましょうか・・・。思わず大きな声で感嘆の声を上げた為、視野外で休憩されていた方が何事かとこちらを振り返っておられました。ゴメンナサイ。このコースは静寂に浸れます。とてもお勧めのコースです。

  ”この時期に?”といぶかしんだのは、ルリビタキのメスらしき鳥を見たときです。カヤクグリのような暗褐色の小鳥もいました。黄色がかったビンズイのような鳥も。まさか、小鳥にブナの黄色が染め込まれたのでは無いでしょうに・・・。


  駒鳥小屋は、御覧のとおり、お酒常備です。(笑)じゃなくて、沢からも、かなり上がったところに作られた、頑丈な+素敵な小屋です。ここにはいつか泊まりたいと、僕でなくても思うのではないでしょうか?
  そして鳥越峠を経由して、出発地点へ戻ります。鳥越峠では、休まず素通りしたのですが、その際に少し滑りました。休んでいたUSの御譲ちゃんに、”Be careful!”。ハイ、僕はその程度ならまだ聞き分けられます。振り返って手で”OK”を返しました。環状線の渋滞は凄まじいものでした。溝口でY先生と御会いする約束をしていましたが、全く動かない渋滞に、逆方向の江府へ一旦下り、181号線から再度溝口へ登り返しました。
  すばらしい山ととても素敵なおじさんたちとの楽しい植林ボランティア!僕は、とても幸せ者です。 


  
鍵掛峠登山口 13:33