高知 筒上山・手箱山
2009年5月5日

”山、間違っているんじゃないですか?

”いいえ、そんな事はありません。目の前に見えているあの山が手箱山です。
このコースは他に枝道が無く、尾根伝いに手箱山へ直登するコースを途中まで辿りますので。”

・・・・・かくして、またしても笹ブッシュへと突入していく地図の読めない松でした・・。

反省・。


名野川登山口  7:40

  前日に登山口の近くで幕営。あまりの天気の良さに、テントの外に敷物広げて、平素飲まないアルコールで盛り上がります。傍らの道を行く車から白い目で見られますが、構いません。往路で××にも捕まった事だし、半分やけくそです。(^ ^);



使えない吊橋

  この吊橋の15m下流に新しい橋が渡してあったのですが、この”使えない”つり橋の下を渡渉。大した違いは無いだろうと、そのまま岸に上がったところ、目の前にこの吊橋を支えるロープにくくりつけられた赤テープが。そこには”尾根上を行く”らしき道。このコースは、一本しか道が無い(筈)ので、これだとばかりに足を踏み入れたのが事の始まり・・。つまりは、最初から間違えていたと言う事で・・。(^ ^);


目を奪われて 8:03

  朝方降った雨に濡れた道脇のシャクナゲの歓迎を受け、すでに身体はびしょびしょ。踏み後は”確かに”有り(笑)、道間違いに全く気がつきません。ただ、行く手左に見える尾根が少し遠いように、頼りない第六感が告げておりました。(笑)

そして道を失い 8:51

  想定していたルートなら1600m付近で遭遇するはずの水場に1300m付近で遭遇し、”何でこんなところに沢があるの・・・?”。赤テープもいつか消え失せ、それでも取り付いた尾根そのものには疑いを挟まず、、”ええい、こうなったら尾根まで直登じゃ!”。雪が融けたばかりのまだ下草が生えていない急斜面を、ズリズリ、ズリズリ登ります。


尾根に上がっても  9:43

  この笹薮状態。”おかしい・・・あそこに見えている山が手箱山だから・・・。”同行の石氏曰く、”山が違うんじゃないですか?””いいえ、そんな事ありません!1600mからトラバースになっているので、もう暫く登ってから考えましょう。”
そして念願の登山道  10:17

  ”ああ、ヤット出た出た!こんなところにひょっこりと・。””これが予定していた道ですか?”と、石氏の渋い攻撃も、”ソウです。これが予定していたトラバース道です。”ここに来てもまだ、尾根そのものを間違えた事に気が付いていません。シアワセな松です。
アレに見えるは? 10:40

  ”あそこに見える建物は何なんでしょうね?”と、遥か下から疑問符満載であった石氏の質問の答えは、松のシ・ア・ワ・セな気分を吹き飛ばすのに充分な破壊力でした。”あっ、あれ~??ここは筒上山?それでは手箱山だと思って目指していた山は筒上山??”我々はどこを登ったのでしょうか・・。”いいじゃないですか。松新道とでも名まえを付けましょう。それにしても迷ったフリをして、ダイナミックな自然を満喫させて頂きました。ありがとう。”石氏のニヤニヤ笑い!


筒上山鎖場 10:50

  ここまでの神経戦に、松のナイーブな精神は疲労困憊。鎖場までの階段でしばしグロッキー。鎖場もしっかり濡れており、つるつるの靴で悪戦苦闘。





鎖場上  11:04

  冷たい鎖に手をハアハアしながら、ズルズルの鎖場を何とか登った途端にガスが切れ、周囲の展望が開けました。あれが、正真正銘”手箱山”です、ハイ。

鶴の子の頭

  残念ながら、石鎚本峰は見えませんでしたが、四国脊梁の縦走路はバッチシ。石鎚山系には何度も来ていますが、この筒上山稜線ははじめて。”苦労”して(笑)登ってきた甲斐がありました。
手箱山  12:46

  鉄条網で侵入を拒む手箱越小屋の前まで戻り、昼食。どこで間違えたのか知りたかったので、本来登ろうとしていたコースを下りることに。ガスの出てきた手箱山への稜線をテクテク・・。





そしてまた間違えそうに 13:31

  ”マイナー(?)な山なので、縦走路にしては笹の刈り払いが少ないな”と、何の疑いもせず笹の中に続く小道を辿って行くと、丁度”20分”歩いたあたりに行く手左に下りる赤テープが!”破線コースだから、これだ!”とばかりに下りかけると、直ぐに赤テープがなくなりました。今回は引き返しました(笑)。辿っていた道も、その先の人の顔の形をした岩までしか続いておらず、そこで道間違いに気がつき、ガスの晴れた下方を見ると、はるかにしっかりした道が見えるではありませんか?もうイヤ!


  
今度こそ! 14:47

  大滝登山口への道から名野川登山口への破線コース分岐は、やはり笹原。でもしっかり赤テープがそこら中に巻き々され、間違いようがありません。一旦コースに入ると、テープも少なくなりますが、そこは老眼の石氏の出番です。大峰の南奥駈にも似た、朽ちた雰囲気の良い道を、元気いっぱい下ります。


これはなんぞや・・。 ここは?? 15:04

  ”きっと、ここで間違えたんですね。ほら、あの右岸の赤テープにも記憶があります。”と唱えると、”いいえ、ここは違います”と、石氏きっぱり。松の記憶は1300m付近と混同しています。

そう言えば、登り始めたときに、

正しいコースの傍に”番所跡経由××”と書いてあった看板を見て、

”これは違うコースだ”と思った記憶がよみがえりました。

この看板の意味は、

”大滝登山口から番所跡経由手箱山の登山道へ至る”

だったのですね・・。

しかしここまで間違えるとは、松も随分といい加減になったものです。

でも楽しかった・・・。危ないなぁ・・。
見覚えのある風景・・15:12

  で、結局始めから間違っていた事が判明したのでした。